「保育士資格の取得を目指したい!」と思ったときに、気になるのが試験のこと。
どんな内容なのか、自分に受験資格があるのか、合格したらどう活かせるのか…。
ここでは、 保育士試験の概要・受験資格・必要な準備・合格後の働き方 を、ママ目線でわかりやすくまとめました。
保育士試験の概要
保育士試験は年に2回(前期・後期)行われる全国試験です。
試験は次の2段階に分かれています。
- 筆記試験(9科目)
- 実技試験(音楽表現・造形表現・言語表現から2つ選択)
筆記試験の9科目は、以下のとおりです。
- 保育原理
- 教育原理(社会的養護とセット受験)
- 社会的養護(教育原理とセット受験)
- 子ども家庭福祉
- 社会福祉
- 保育の心理学
- 子どもの保健
- 子どもの食と栄養
- 保育実習理論
筆記試験は、すべてマークシート形式。
1科目の問題数は10〜20問であり、時間は1科目あたり1時間です。
筆記試験の合格基準は、すべての科目で6割以上の点数を取らないといけません。
全20問の科目であれば12問以上正解する必要があります。
そのなかでも教育原理と社会的養護は「ニコイチ」とも呼ばれており、合格するために2科目とも30点以上(60%以上)取らないといけません。
どちらか片方でも合格点を下回ると、もう一度2科目とも受験しなおさないといけないのです…!
保育士試験では、全科目で60%を上回れるように、バランスよく勉強することが大切です。
どんなに高得点を取っても合格点に届かない科目があると不合格になるのです。
一般的に難しいとされているのは、社会的養護・教育原理・社会福祉の3科目です。
私の場合、ニコイチはなにがなんでも一回で終わらせたかったので、上記3科目をメインで勉強しました。
そしてほぼすべての科目で8~9割の得点を取りましたが、「こども家庭福祉」で一問だけ点数が足りず、不合格…
難しいといわれている3科目に力を注ぎすぎ、次に難しいといわれている科目でミスをしました。
なので、この科目をメインに!ではなく、まんべんなく勉強するのがおすすめです。
筆記試験はマークシート形式ですので、答えがわからない場合もとにかく全問塗りつぶして提出しましょう!
法改正も頭に入れておく
試験対策をする際には「法改正」にも注意が必要です。
その年の試験に対応した内容でないと、学習時間が無駄になる可能性も…
法改正がされると、出題内容や範囲が変更される場合もあります。
最近だと「こども家庭庁の新設」という大きな改正がありました。
更新が行われることが多いのは、
社会福祉・子ども家庭福祉・保育原理・教育原理・社会的養護の5科目です。
独学で勉強する方はこの5科目を学習する際には、最新の問題を手に入れないといけません。
ユーキャンの保育士資格対策は法改正があった場合、それに適した冊子や参考書などが送られてくるので、漏らすことはありませんね。
そして、合格した科目はなんと3年間の延長制度があります!
また「合格科目免除期間延長制度」というものもあり、対象の施設で勤務している方は最大で5年間の延長になります。
また一からすべて受ける必要がなくていいのは、ありがたい制度ですよね。
筆記に合格すると、次の実技試験に進めます。
保育士試験の受験資格まとめ(学歴別)
保育士試験には受験資格があります。
学歴によって条件が変わるので、確認が必要です。
ざっくりまとめますと、
- 「大学・短大・高専・2年制以上の専門学校を卒業した者」
- 「大学に2年以上通い、62単位以上を修得した者」
- 「高校卒業後、児童福祉施設で2年以上働いた経験のある者」
- 「中学卒業後、児童福祉施設で5年以上働いた経験のある者」
となります。
下に表にいたしました。
学歴 | 受験資格の有無 | 注意点・補足 |
---|---|---|
高卒(平成3年度までの卒業) | あり | 卒業と同時に受験資格が認められる |
高卒(平成4年度以降の卒業) ※(保育科卒以外) | 条件あり | 児童福祉施設での実務経験2年以上(かつ2,880時間以上)で受験資格を得られる |
短大卒(保育系・非保育系問わず) | あり | 卒業証明書を提出 |
専門学校卒(2年以上・62単位以上) | あり | 卒業証明書を提出 |
大学卒(学部問わず) | あり | 卒業証明書を提出 |
中卒 | なし | 児童福祉施設での実務経験5年以上(かつ7,200時間以上)で受験資格を得られる |
高卒認定(大検含む) | なし | 高卒の場合と同じになる |
ポイントまとめ
- 平成3年度までの高卒 → 受験資格あり(保育科卒業の方は別規定あり)
- 平成4年度以降の高卒 → 児童福祉施設で2年以上2,880時間以上勤務する
- 短大・専門・大学卒 → 基本的に受験資格あり
- 中卒で受験する場合 → 児童福祉施設で5年以上7,200時間以上勤務する
- 高卒認定試験に合格して受験する場合(高卒同等)→ 児童福祉施設で2年以上2,880時間以上勤務する(高卒と同じ条件になる。)
受験資格を証明するためには 卒業証明書等の提出 が必要です。
卒業から時間が経っていても、母校に申請すれば取得できます。
私の場合は、母校のホームページに各種証明書の申請というページができていて、対話をすることもなく簡単に申請することができました。
詳細は必ず、全国保育士養成協議会のホームページを確認してくださいね。
ちなみに年齢の制限はありません!
受験に必要なものまとめ
受験申込のときに準備が必要な書類・費用は次のとおりです。
なんと、今はオンライン申請か郵送申請が選べます。
以前はまず手引きの申請開始を待ち、取り寄せてから申し込みを行う形でしたので、わざわざ手引きを申請しないで済むのはお手軽ですね。
- 願書(配布・公式サイトからダウンロード可)
- 受験手数料
- 証明写真
- 卒業証明書(必要な方)
- 本人確認書類
などなど、用意するものがたくさん。
出願期限もあるので、今度の試験を受験する!と決めたら、早めに準備しておきましょう。
合格後の流れ
筆記・実技試験の両方に合格すると、都道府県知事から「保育士証」が交付されます。
これで正式に保育士として働けるようになります。
保育士として働くようになると、入職の際に資格の証明を求められることも発生します。
いつでも提出できるよう、大切に保管しましょう。
保育士資格を活かせる働き方
合格後はさまざまな現場で働けます。
ここでは子育て中のママにもおすすめの働き方をピックアップしました。
保育園(正社員・パート)
直接雇用なら安定した収入が魅力。
短時間勤務が可能な職場だと、希望に合わせて柔軟に働けます。
頑張れば、フルタイムや正社員の保育士になることも可能な園もあります!
学童・児童施設
子どもたちの放課後支援や生活指導などをメインに行います。
施設によって、勤務時間は様々。
運営は公的な施設や民間施設、社団法人などが多いです。
ベビーシッターやファミサポなど
登録制で、一対一(きょうだいでお預かりという場合もありますが)の保育ができるのがポイント。
保護者との距離が近いので、信頼を得ることが大事です。
突然依頼が入る場合もあるので、比較的、働く時間に左右されない方におすすめですね。
児童館・福祉施設
子どもとその保護者と接する機会が多いです。
乳幼児だけではなく、児童(18歳まで)を対象としているところだと、中高生の子どもの遊びに対応するなんてこともあります。
いろいろな年齢の子どもと触れ合えるのが魅力です。
ママにも適した働き方
子育て中はフルタイム勤務が難しい場合も多いですよね。
保育士資格があれば、
- 子どもが小さい時期 → パート・短時間勤務
- 派遣の保育士というものもある
- 手が離れてきたら → フルタイム勤務
と、ライフスタイルに合わせて働き方を選べます。
まとめ
保育士試験は筆記と実技の二段階試験で、受験資格は学歴によって異なります。
必要書類や受験料の準備を確認してから勉強を始めるのがポイントです。
合格後は、保育園・学童・ベビーシッターなど、子育て中でも無理のない働き方も選べます。
「子育ても仕事も両立させたい!」というママにとって、保育士資格は大きな力になりますよ。